清風読書会

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2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「人生は驚きに充ちている」その2 

H 38ページの違和感が説明できるようになりました。「この店で私は次に来ることがあったとしても、チャーハンだけは二度と注文しないだろう」とある。 今来ているのは2回目の来店ですよね、それなのに「次に来るときには、チャーハンだけは注文しない」とい…

「人生は驚きに充ちている」 中原昌也 2020年7月刊 20201121読書会テープ

【はじめに】 初出は2019年5月『新潮』。2020年7月に刊行された単行本『人生は驚きに充ちている』の巻頭のNovel。 物語は、作家らしき一人称の私が編集者小松へ原稿を渡すまで。テーマは心霊現象のような不思議な出来事で、日記にあらかた記しておいたのに、…

『月の客』その3

【犬について】 Y 犬がたくさん出てくるのですが、何でそんなに出てくる? 作品の中で個別に意識されていない犬が何匹も入れ替わって出てきて、何匹目かは忘れたけれど犬は主人公とずっと一緒にいて、守って、脇に寄り添っている。 S 何匹も入れ替わるという…

『月の客』 その2

【ラザロ】 S それから、もちろん生と死が融合している。 K イエスが呼ぶとラザロが復活した。ラザロがいるところにはイエスがいるということらしい。 S ラザロ=イエスではないの? ラザロの居るところイエスがいる。そしてイエスは復活したからイエスなんで…

『月の客』 山下澄人 2019年9月初出、2020年6月10日刊 20201114読書会テープ

【はじめに】 1996年に初演された野田秀樹の『赤鬼』2020年版が公開されているので、最初の方だけ見ていたのだけれど、20年ぐらい前の『半神』と比較して案外だった。『半神』は萩尾望都の漫画が原作で、1886年に初演されているから、初演で言うと10年の差が…