次回4月17日曜13:30より

泉鏡花 夜行巡査 青空文庫収録

泉鏡花「さゝ蟹」20220306読書会テープ

S 「さゝ蟹」は、全集別巻の書誌によると、明治30年5月に「国民の友」に3回にわたって連載された。1897年だと漱石より少し前の作品。これまで読んだ中で一番この小説に近いのは、漱石の「一夜」という作品じゃないかと思う。 絵に描いてある女の人とか、葛餅…

記録

6月5日泉鏡花 春昼 春昼後刻 6月26日泉鏡花 貝の穴に河童の住むこと 7月18日 宇佐美りん かか 7月30日 中島敦 光と風と夢 8月14日 中島敦 文字禍 山月記 9月18日 夏目漱石 明暗

宇佐美りん「推し、燃ゆ」 その2 20210508読書会テープ

S 私がこの小説から思い出したのは、ハーモニー・コリンの『ミスター・ロンリー』。 日々マイケル・ジャクソンになろうとしている青年がマリリン・モンローのそっくりさんと出会って、島のパーティーへ誘われる。そこはチャップリンやジェームス・ディーンの…

宇佐美りん「推し、燃ゆ」 その1 20210508読書会テープ

【はじめに】 「推し、燃ゆ」は、2020年秋季号の文藝に発表され、同年9月に河出書房新社から出版、芥川賞受賞。 章立てはなく、アスタリスクと行開けによって小区切りがある。内容を要約しておく。 1、推しの炎上 2、アルバイト先にて 3、祖母の死 4、まざま…

富岡多恵子 「笑い男」 20210424読書会テープ

【はじめに】 S 「笑い男」は

富岡多恵子 「立切れ」 20210424読書会テープ

【はじめに】 「立切れ」は、1977年の第4回川端康成文学賞を受賞した作品。同年刊行の自選短篇集『当世凡人伝』に収録された。 落語の「立切れ」を下敷きにしているので、その内容を略述しておく。芸者の小糸と恋仲になって商売を顧みない商家の若旦那が、親…

今村夏子「的になった七未」 2020年1月「文学界」 20210327読書会テープ

【はじめに】 S いくつか気になる点を挙げておく。 第一話と対になっている。違うバージョンの同じ話だとすると、違いはどこにあるか? 名前が少し気になる。七未がななちゃんという愛称になるということ。七未の七を取って、七男という名を子供に付けるが、…

予定

5月23日日曜15:00 綿谷りさ 意識のリボンから 第一話と表題作 5月22日土曜14:30 プラグマティズム6講 参加希望者はアドレスをお送りください。当日Skypeに招待します。

「近未来の神話」 J.G.バラード 村上博基訳 1982年 20201213読書会テープ

【はじめに】 『人生は驚きに充ちている』のなかに収められている、2013年3月に発表された「廃墟が語りかけてくる」の中で言及されていたバラードを読んでみることにした。 バラードは、映画化されている「太陽の帝国」とか、「ハローアメリカ」、「ハイライ…

「人生は驚きに充ちている」その2 

H 38ページの違和感が説明できるようになりました。「この店で私は次に来ることがあったとしても、チャーハンだけは二度と注文しないだろう」とある。 今来ているのは2回目の来店ですよね、それなのに「次に来るときには、チャーハンだけは注文しない」とい…

「人生は驚きに充ちている」 中原昌也 2020年7月刊 20201121読書会テープ

【はじめに】 初出は2019年5月『新潮』。2020年7月に刊行された単行本『人生は驚きに充ちている』の巻頭のNovel。 物語は、作家らしき一人称の私が編集者小松へ原稿を渡すまで。テーマは心霊現象のような不思議な出来事で、日記にあらかた記しておいたのに、…

『月の客』その3

【犬について】 Y 犬がたくさん出てくるのですが、何でそんなに出てくる? 作品の中で個別に意識されていない犬が何匹も入れ替わって出てきて、何匹目かは忘れたけれど犬は主人公とずっと一緒にいて、守って、脇に寄り添っている。 S 何匹も入れ替わるという…

『月の客』 その2

【ラザロ】 S それから、もちろん生と死が融合している。 K イエスが呼ぶとラザロが復活した。ラザロがいるところにはイエスがいるということらしい。 S ラザロ=イエスではないの? ラザロの居るところイエスがいる。そしてイエスは復活したからイエスなんで…

『月の客』 山下澄人 2019年9月初出、2020年6月10日刊 20201114読書会テープ

【はじめに】 1996年に初演された野田秀樹の『赤鬼』2020年版が公開されているので、最初の方だけ見ていたのだけれど、20年ぐらい前の『半神』と比較して案外だった。『半神』は萩尾望都の漫画が原作で、1886年に初演されているから、初演で言うと10年の差が…

川端康成 「散りぬるを」 20200927読書会テープ

【はじめに】 「片腕」を三島由紀夫が絶賛しているので、新潮文庫の『眠れる美女』を購入したが、その中で「散りぬるを」(1933)がもっとも面白かったのでこれを取りあげることにした。代表作の「雪国」(1948)よりかなり早い戦前の同人誌時代の作品。ノー…

フローベール 「ヘロディアス」 20200913読書会テープ

【はじめに】 使用した本文は、『三つの物語』、谷口亜沙子翻訳・解説の光文社古典新訳文庫。 【サロメ】 S さて、どこがなぜ分かりにくかった? K キリスト教誕生の頃のユダヤ史やローマの支配について知識がないから、分かりにくい。こちらから見るとどの…

予定

8月8日 降誕祭のパアティ 森茉莉 8月23日 エミリーへの薔薇 フォークナー 9月13日 ヘロディアス フロベール 9月27日 散りぬるを 川端康成 10月4日 掌の小説 川端康成 はじめの6編 10月18日 月の客 山下澄人 人生は驚きに充ちている 中原昌也

森茉莉「降誕祭パアティー」「文壇紳士たちと魔利」  読書会テープ20200725. 20200808

【はじめに】 両作品は、2001年に刊行された電子ブック『贅沢貧乏』(新潮社)に収録されている。『贅沢貧乏』は、1963年5月に新潮社から単行本として刊行され、1978年4月に増補されて新潮文庫に収められた。初出は、「降誕祭のパアティー」が1964年5月、「…

夏目漱石「吾輩は猫である」5ー8回その3 20200628、20200711読書会テープ

【鎖状の連鎖小説】 S 猫は他の漱石作品と比べて非常に読みにくいと感じる。むしろ耳で聴いたほうがよいのではないかと思う。ちょうど落語を聴いているようにすれば、話題がどんどん滑って行くのに乗れる。 落語だとどんなに難しい話題でも耳で聴いて分かる…

夏目漱石「吾輩は猫である」5ー8回その2 20200628、20200711読書会テープ

【日露戦争】 S 主人は泥棒の時は寝込んでいたが、猫と鼠の戦争の夜はさすがに起き出して来た。主人は、一回目に懲りて、二回目は飛び起きた。それによって泥棒の話と猫の戦争の話二つの話が繋がって、対になっていると分かる。 Y 何でいきなり鼠が反撃して…

夏目漱石 「吾輩は猫である」5ー8回その1 20200628、20200711読書会テープ

【はじめに】 5章は、前半は、泥棒が入ってその姿形が寒月にそっくりだったこと。後半は、猫の日露戦争、ネズミを取ろうとして、ついに取れなかったこと。 6章は、猫の皮を剥ぐとか、女の髪の話。 7章は、猫の運動と海水浴。銭湯と裸体の話。 6、7章は身体の…

中原昌也 「血牡蠣事件覚書」(2001)「凶暴な放浪者」(2004) 20200621読書会テープ

中原昌也「待望の短篇は忘却の彼方に」2003年春刊その3 20200523読書会テープ

【頓挫する物語】 S ところで、この部屋には何でトイレがないの? Y 人が住んでいないんでしょう。 K トイレもなく湯沸かしもないし、それでいてクッキーを焼く。ピクルスは買ってきたのだろうけど。 S 「『女子大生仲良し三人組、ライフルで射殺さる』とい…

中原昌也「待望の短篇は忘却の彼方に」2003年春刊その2 20200523読書会テープ

【新聞紙】 H 剥製も、そこにないはずの身体が加工されて、現在に存在するわけですね。 S 中身をくりぬいて、過去・現在・未来という時間の流れから疎外されてしまう、ずっと滅びないで元の姿のままでいる。剥製とは時間を止めること。 Y 新聞紙もある意味で…

中原昌也「待望の短篇は忘却の彼方に」2003年春刊 20200523読書会テープ

【はじめに】 H ひさびさに中原を読んでいる。 S こんなに分からなかったけ、歯が立たない。 Y 分からないのが面白いのだけれど、噛み応えもなければ噛んでいるの?みたいな不思議な感覚でした。 S 私がいちばん分からなかったのは、老婆が二回り大きいとい…

太宰治「ヴィヨンの妻」その3

【ウントク・ヒョウトク】 S 「ケケケと妙に笑いました」というこの子どもを小説に書くのは、今だったらリスキーでしないでしょう。どうしてこの坊やは「阿呆」になっているのだろう? Kこれは実体験ですよね。津島佑子が書いている。 S 実体験だからといっ…

太宰治「ヴィヨンの妻」その2

【ネットワークとしての家】 H 妻が家を出たというのが大きいのではないか。家同士がつながる、飲み屋さんの家と大谷の家がいつの間にかくっついてしまう。僕は「清貧譚」が好きだから、家を出て、家に入ることに注目している。 S 家を出るという時の家は、…

太宰治「ヴィヨンの妻」 20200425読書会テープ

【はじめに】 登場人物は、大谷という作家、その妻、こどもが一人。一方、上州から出て来て小料理屋を開いている夫婦。戦前から戦後にかけて大谷に魅入られたように酒を飲み干されてしまう。今回事件が起きて、年末の押し詰まって、ようやく5000円を集めてき…

太宰治「作家の手帖」その5

【美しくのんきな女たち】 S さらに問題は残る。のんきで美しいを価値として私たちは認められるのかどうか? K 責任がないからのんきで美しいんでしょう。 S 戦争のまっただ中なのに、無心に、つまり戦争のことなど一切考えないでいられることに、無責任…