清風読書会

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2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『軽率の曖昧な軽さ』から「真弓、キミが見せてくれた夢」(2016)

3月18日の読書会テープです。 【いくつか確認】 S冒頭で、「私」は暗い部屋の執筆机から日曜の午後の歩行者天国を見下ろしている。末尾で、「私」は真弓の部屋から日曜の歩行者天国を見ている。これ以外に歩行者天国が出てこないなら、これは枠。しかし、二…

『軽率の曖昧な軽さ』から「軽率」(2015)その2

【はじめに】【二次現実】【箱とスクリーン】【鐘を鳴らすこと】 【コンビニで働くこと】 Oコンビニで働いている人たちが監視されている、「すべてが箱庭の中に閉ざされて死んでいる時間」(p.54)。鐘を鳴らすのが意識が戻ってくるための作家のやり方だとす…

『軽率の曖昧な軽さ』から「軽率」(2015)

2月19日の読書会テープです。 【はじめに】 S作家は19世紀以来ずっと神の役割を引き受けてきた。しかし、太宰治も中原昌也も、そういう役割を自分は決して引き受けまいとする。そのために、書くなんて最低のことだと言い続けなければならない。一方で、バモ…

4月22日金曜は休みです。 次回5月6日金曜は、14時40分から、ベケット「鎮静剤」(『ベケット短編集』白水社)です。

『軽率の曖昧な軽さ』から「恋愛の帝国」(仁木ひろみ名義 2009)

【はじめに】 S「軽率」の豪華な菓子の箱が「恋愛の帝国」にも登場する。その菓子箱にはメモが入っている。手紙は封印された信頼のおけるメディアだが、菓子箱に入ったチラシ裏のメモは信頼性の低いメディア。ちょうど、化かすかもしれない狐のコートのよう…