【レジメ】
『笛吹川』(1958年、新潮社、書下ろし単行本)
1、登場人物
【石和村】
おじい──娘 ミツ──キヨ/定平(信玄と同年生)──惣蔵──久蔵/ヤヨイ
|──────|平蔵16歳 メッキのおけい 安蔵/平吉
半平(婿) タケ黒駒へ
ヒサ八代へ──虎吉(勝頼と同年生)
坪井大尽
竹野原 ミツの嫁ぎ先
鶴やん 貧しい家
茂平やん 馬鹿力25歳
川田 オキムラ 後産・死骸・八房の梅の木
近津のまがり家 一人息子の勝やん 酒飲みで乱暴者
八代双子塚 智識三代
ワカサレの源やん 三代親を追い出した ──孝助
【甲府】
山口屋 ミツ29歳の再婚先の絹問屋──タツ──ノブ(勝頼と同年)──次郎
土屋 平蔵の主人、勝千代を養育
鎮目 アヅマヤ タツが身を寄せる。
武田信縄──男死亡/信虎/弟死亡──勝千代晴信信玄19代── 勝頼20代
お聖道様
武田の歴史(17代1471-1507)(18代1494-1574)(19代1521-1573)(20代1546-1582)
【その他の地方】
駿河 富士山
2、各章の内容
一 人物の登場とおじいの予言。
二 珍しい八房の梅の木を、富士参りの帰りに平蔵がもたらす。ミツ山口屋再婚。土屋半蔵となり、武田晴信に仕え死亡。晴信京都から任官。定平、メッキのおけいと結婚。
三 半平病死、近津のまがり家で馬が赤子を生んだ。武田晴信へ代替わり。滝田川の名について。
四 武田・上杉 川中島の戦い(1553-1564)。定平はオンマ宿をするようになった。おけいの子どもは、八代の智識の生まれ変わり。
五 勝やん、善光寺の本尊を持ち帰る。晴信信玄を名乗る。山口屋消失。タツ焼け残り、復讐を誓って隠れ住む。おけい安蔵を生む。子守歌。タケ・ヒサ死亡。
六 善光寺落成、ぼや騒ぎ。虎吉、上杉謙信を見る。おけい平吉を生む。ノブは屋形様へ奉公に連れて行かれたが、村の男の子を孕んでいて屋形から逃げ出す。タツは殺されたノブから赤子(次郎)を取り去り塩山の寺に捨てる。
七 蛍。おけいウメを産む。八房の梅を惣蔵持ち帰る。タツは土手の気狂と呼ばれてぎっちょん籠の側に住む。おけい・定平はオヤテットに出るようになった。ノオテンキの血筋のためか、惣蔵は戦へ行き、虎吉(大隅の守)の手下となり土屋惣蔵を名乗る。
八 平吉もいくさに行ってしまうことを恐れて、ウメと次郎を娶せようとするが、虎吉がウメを屋形へ連れて行く。平吉は惣蔵の誘いにのらず家に留まった。
九 屋形様は落ちていく。惣蔵は先祖代々お屋形様のお世話になってと言い出し、定平はびっくりする。平吉と安蔵はお聖道様の元へ行き、ウメは屋形様と一緒に落ちていく。おけい、ウメ、惣蔵の妻子を取り戻そうとする。お聖道様の最期、恵林寺焼失。タツは次郎を探して寺へ行き死亡。おけいも平吉も誰も帰ってこないぎっちょん籠で、定平が米を研いでいる。
3、討論のための問い
1、 ぎっちょんとはどういう意味か。
2、生まれ変わりとは? キヨは鶴やんの娘へ生まれ変わり。定平は勝千代と同時誕生。ミツは信虎と同年生まれ。晴信誕生のときおじいが血を流して殺された、白い目を剥いたなど、符合を語るのはなぜか。
3、笛吹川の水が出るとは? 三寸流れれば、お水神様が清める(9)
4、ブドウの実とは。
5、勝やんはなぜ善光寺の本尊を持ってきたのか?
6、オヤテットといくさの互換性。
7、ボコという女の手段と、いくさという男の手段の対比。