2019-01-12 三島由紀夫「切符」(1963年) 20190112読書会 【はじめに】 1,この作品は1963年8月の「中央公論」に発表された。冒頭に語られている1960年代の衰退しはじめた商店街のようすは、日本中の都市のあちこちで見られた光景である。 2,怪談の中核をなしている夏のお化け大会の描写は、八幡の藪知らずや鏡を使った光学装置や女の死体など、江戸川乱歩の『悪魔の紋章』へのオマージュであるだろう。 3,富子または時計屋の谷が死ぬマルチエンディングの構造をもっている。 【商店街の衰退】