太宰治「女生徒」 20170610読書会テープ

S 「女生徒」は1939年発表、前年石川美和子と結婚し、安定した精神を得て書かれた女性一人称小説の一つ。女性読者の手記にもとづいているが、紛れもなく太宰治の小説になっている。それは、1947年の『斜陽』とともに、太田静子・治子母子の姿が重ねられていると考えられ、母子関係、家族関係がよく類比できるからである。

 『斜陽』の冒頭、お母様のスープのいただき方という敬語をめぐって誤用が云々(うんぬん)されているが、娘のかず子は母との一体化をはじめ目標としており、母=かず子の自由間接話法として考えれば、「いただく」という敬語はその一体化の表現として読むことができる。かず子は、母のような未来のために育てられ、母とは違った革命を見つける。同様に、「女生徒」にも母との同化・異化のテーマがある。

S 思春期の不安定な主体の話。浮いたり沈んだりしている。

I 思春期の女性が、難しいことを考えずに、女の人はこういう考え方をよくするよなあと。

T 思春期を越えてもそういうことがありますか?

I 今日と昨日と人格が入れ替わるような、大人になったり子どもになったり、そういう感覚で思考することは、思春期でなくても女の人には多いかなと。